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2023.04.04

研究成果

中尾文彦先生の論文が Leukemia 誌 に掲載されました!

急性骨髄性白血病 (AML) におけるBCL2阻害剤 (Venetoclax) の耐性機構を、全ゲノムCRISPR/Cas9スクリーニングを用いて解明しました。論文はここからアクセスできます。https://www.nature.com/articles/s41375-023-01879-z
白血病細胞内では、ミトコンドリアに存在するユビキチンリガーゼ複合体 (MARCH5/UBE2J2/UBE2K)がNOXAタンパクを恒常的にユビキンチン化・分解していることがわかりました。NOXAはMCL1特異的なBH3 only proteinですので、MARCH5 E3ユビキチンリガーゼ複合体が恒常的にNOXAを分解している細胞では、MCL1のBH3グルーブが”空っぽ”になります。このような白血病細胞では、Venetoclax (VEN) によってBCL2から放出されたBAXがことごとくMCL1のBH3グルーブにトラップされてしまうため、ミトコンドリア外膜上で多量体を形成できずアポトーシスが誘導されません。このメカニズムは、内因性のVEN耐性に深く関与していると考えられ、このE3複合体を標的とした薬剤の開発が期待されます。